担当のホームインスペクターは穏やかかつ丁寧なインスペクションに定評のある麻生英之さん。

場所は、某都立公園のすぐ脇という閑静な住宅地。
早速、施工者様とご依頼者様にご挨拶をして家の中へ。
調査範囲と調査方法、おおよその時間についてご説明したあと、外回りから調査が始まりました。
まずは建物から離れて屋根の状態をバードウォッチングさながらに双眼鏡で確認。
次に、敷地の角に境界の杭がきちんとあること、水道メーターの針が動いておらず漏水がないこと、家から出た排水を前面道路に埋設されている公共下水につなぐための枡に汚れや詰まり等がないこと、ブロック塀の状態等を手際よくチェック。
ブロック塀にモルタルの汚れが見られた他は、問題なく作られていました。
その後、建物本体に移り、基礎の立ち上がり部分や外壁にひび割れ等がないこと、雨樋や給湯器がきちんと外壁に固定されていること(固定しているビスに止水の処理がされているかも含めて)、給湯器につながっている配管類がきちんと接続されているか等を確認。外壁に何箇所か汚れがあった他は特に問題もなく、しっかり施工されているという印象でした。
外回りの調査が終わると建物の中へ。
玄関前のポーチから玄関内部につながる床のタイル張りに浮きがないか(浮きがあると将来割れる可能性があります)を打診棒でなでるように確認しながら家の中へ。
中では建具がスムーズに動くか、窓枠がしっかり固定されているか、収納の棚にガタツキがないか等を確認。引き戸がしまった時に戸と戸が当たる縦枠に一部隙間が見られましたが、戸を吊っている金物の調整だけで大丈夫ということでした。
続いて換気扇。きちんと吸い込んでいることを ティッシュペーパーが張り付くかどうかで確認するのですが、浴室の換気扇だけ張り付きません。ファイヤーダンパー(換気扇と外壁を結んでいる排気ダクト内 部にある、火災が発生した際に延焼を防ぐためのシャッター)が誤って閉まっている可能性が考えられたのですが、排気口が外からは確認できない高さにあった ため、施工者様に確認したところファイヤーダンパーはつけていないとのこと。ユニットバスの天井点検口を開けてみたところ、換気扇と排気ダクトの繋ぎ目か ら空気が漏れておりました。アルミテープの巻き直しと、吸い込まない原因の確認を施工者の方にお願い致しました。

2階トイレの天井点検口から小屋裏を覗いて見ました。天井の上一面に断熱材のグラスウールが敷き詰められていたのですが、トイレの排気ダクトが天井を貫通しているところだけ、ダクトが邪魔をして天井面に密着していないところがあったので、改善を施工者様にお願い致しました。
また、小屋裏の外壁に面する壁の内側に石膏ボードが張られておらず、それで建築基準法で定められている防火構造となっているのかどうかを施工者様にご確認頂くことになりました。
その後オートレーザーを使って床・壁・天井に傾きがないことを確認し、床下へ。防汚服を着込み、マスクも着用。その間、私も点検口から床下を覗いていたのですが、麻生さんが動き回ることで埃が舞い上がり、咳き込んでしまい、なかなかにハードな仕事であることを実感・・・。結果は問題なしということで一安心。
今回の調査で見つかった不具合や疑問点すべてについて、施工業者様にご確認・ご対応頂くことになりました。
調査で水を出した洗面や浴槽の拭き残しをきちんと拭き取り(水滴が乾いて白い跡が残るのを防ぐため)調査終了。
安心した表情のご依頼者様の「ありがとうございました」という言葉に見送られ、現場を後にしました。その言葉を聞けるのが一番ですね。
最後に調査の同行と撮影のご協力をいただいたご依頼者様、施工業者様、ありがとうございます!