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[一戸建て工事中のチェックポイント]
新築一戸建て工事中のチェックポイント⑧ コンクリート打設の注意

2017-12-10

新築一戸建ての工事中のチェックポイントを工程ごとにご紹介する本連載、前回は配筋についてご紹介しました。


今回は、コンクリート打設について。第三者の現場検査工事中の第三者現場チェックサービス「新築工事チェック」を行うホームインスペクター(住宅診断士)が注意点を解説します!配筋工事と同様、コンクリート打設は「基礎屋さん」という専門の業者が行うことが一般的です。コンクリート打設は、施工者によって仕上がりにばらつきが出る工程ですので、しっかりチェックしましょう。


最初からお読みになりたい方はこちらからどうぞ。


コンクリート打設の手順


ポンプ車でコンクリートを流し込むまずは、簡単なコンクリート打設工事の流れを説明しておきましょう。


コンクリートは、生コンクリート工場からミキサー車を使い、現場まで運ばれてきます。この時のコンクリートは液体のような状態です。

現場に到着すると、コンクリートが発注した品質どおりのものか、納品書を確認します。施工業者によっては、コンクリートの品質を実測試験で確認することも。コンクリートの品質に問題なければ、型枠の中にコンクリートを流していきます。


コンクリート打設専用のポンプ車を使って流し込む方法が一般的です。敷地や道路幅の問題がなければ、最も工事がしやすい方法です。


ポンプ車は、ミキサー車のコンクリートを車の後ろに入れ、ポンプの力でコンクリートを送り出します。ポンプ車を使ったコンクリートの打設はとても効率がいいため、時間が短縮でき、コンクリートが固まるまでの時間に余裕を持つことができます。


流したあとはコンクリートが型枠の隅々まで行き渡るよう、バイブレーターと呼ばれる専用の機械で振動を与えます。型枠の中に入ったコンクリートは、そのときの気候にもよるものの、数時間で固まり始めます。


一戸建ての基礎は、底面部分と立ち上がり部分の2回に分けて作るのが一般的。作業は通常、どちらも1日で終わります。


コンクリートを流し込んだあとは、しっかり固まるまで型枠を取り付けたままにしておきます。これを「養生(ようじょう)」といいます。


養生の期間は、コンクリートを打設した時期にもよるものの、最低3日は置くのが望ましいとされています。「3日」とは、打設後72時間後と考えた方がわかりやすいでしょう。コンクリートの養生期間が長ければ長いほど強度が安定します。養生期間が過ぎたら、型枠を取り外して終了です。


コンクリート打設で、やってはいけないこと


バイブレーターコンクリートを流し込むとき、やってはいけないことがあります。それは大きく2つ。


・コンクリートに水を入れてはダメ


生コンクリート工場から出荷されるコンクリートの中には、決められた量の水が正しく入っています。現場に到着したあとでコンクリートの中に水を入れてしまうと、強度が低下し、必要な強度を得られなくなってしまいます。またコンクリートが固まる途中で水がたくさん蒸発し、ひび割れの原因にもなります。どんな理由があっても、コンクリートに水を入れてはいけないのです。

(ただしコンクリートが固まったあとなら、水をかけたり、雨が降ったりすることは問題ありません。)


・雨の日にコンクリート打設を行ってはダメ


雨の日にコンクリート打設を行うと、まだ固まっていないコンクリートの中に水が入ってしまい、強度が低下してしまいます。意図的に水を入れることと同じなのです。雨が降っているときには工事が多少長引いたとしても、コンクリート打設を延期してもらいましょう。


コンクリート打設のチェックポイント


立ち上がりコンクリートの打設


コンクリート打設のチェックポイントには、以下のような項目があります。


・型枠の中にゴミがないか


配筋をするとき、鉄筋同士を結ぶ針金のような線を、「結束線(けっそくせん)」といいます。配筋の作業では大量の結束線をつかうため、作業中に落ちたり、取り付け時に切れたりして、基礎の型枠の中に残っていることがあります。そのままでは、基礎コンクリートの打設に悪い影響は与えても、良い影響は与えません。基礎コンクリートを流し込む前にきちんと取り除きましょう。


・バイブレーターは使用されているか


コンクリート打設はいずれの方法を使ったとしても、運搬中コンクリートの中に空気が入り、中身に少しばらつきがでてしまいます。そういった問題を解決し、仕上がりのコンクリート品質を良くするためには、加振機(バイブレーター)を使って振動を与え、コンクリートが隅々まで行き渡るようにします。


 


一戸建ての基礎コンクリートでは、棒状のバイブレーターがよく使われます。コンクリートを流し込む作業のときにこれを中に数秒入れるだけで、隅々まで行き渡らせることができます。


ただ、コンクリート打設作業に関わる人員が少ない場合、バイブレーターが省かれてしまうことがあります。良い基礎を作るためには絶対に必要な作業ですので省かれないようチェックしましょう。


・コンクリートの打設まで時間は長すぎないか


コンクリートは、生コンクリート工場で調合してからすぐ固まっていきます。ミキサー車がコンクリート工場を出発し、コンクリート打設が完了するまでに時間がかかりすぎると、作業している途中で固まってしまうため、期待通りの品質になりません。


それを防ぐための基準として、コンクリート工場を出発してから打設が完了するまでの時間は、


・気温が25℃より高ければ、90分以内


・気温が25℃を下回っていれば、120分以内 とされています。


つまり冬なら2時間、夏なら1時間半以内まで、ということなのです。この時間は、ミキサー車がコンクリート工場を出発してから打設が終わるまでの時間。工事現場にミキサー車が到着してから、打設が終わるまでの時間ではないことに注意してください。


交通量が多い道路をミキサー車が通ってくるときなど、渋滞のために現場までの運搬に時間がかかることもあり、要注意です。もしミキサー車が交通渋滞のため現場に到着する時間が大幅に遅れ、コンクリートがミキサー車の中で固まりはじめたりしたなら、ミキサー車をそのまま返すような判断も場合によっては必要でしょう。


ミキサー車がコンクリート工場を出発した時刻はコンクリートの納品書に必ず記載されています。きちんと確認を。コンクリートの品質は、作業内容によって大きく変化するもの。また建物を支える重要な箇所なので、品質には妥協しないようにしましょう。


・打ち継ぎ面が濡らしてあるか(打ち継ぎの場合)


基礎を底面と立ち上がり部分の2回に分けて打設するとき、打ち継ぎ面が発生します。打ち継ぎ面には、「レイタンス」という強度の弱い部分が出ています。レイタンスはワイヤブラシや高圧洗浄機を使って取り除く必要がありますが、一戸建ての基礎工事ではあまり行われていないのが現状です。


レイタンスを除去したあと、打ち継ぎ面に散水してコンクリートの上面を湿潤状態にしておくと、立ち上がり部分との接着性が良くなります。打ち継ぎ部分への散水は簡単で、接着性の向上だけでなく表面のゴミなどを取り除く意味もあるため、ぜひやってもらいましょう。


コンクリートが固まったあとに雨が降るのは問題ありません


コンクリート打設が完了すると、型枠を取り付けたままコンクリートをおいておく養生期間となります。コンクリートの上にビニールやござ、むしろなどを載せて、夏場の急激な乾燥や、冬場の温度低下を防ぎます。


コンクリートは固まるとき、水分が必要です。夏の暑いときにコンクリートが固まるまでのあいだ、天気が良い日が続くとコンクリート中の水分が急激に蒸発してしまい、ひび割れを生じてしまいます。夏場のひび割れを防止するためには、ある程度固まったコンクリートの上に水をまいたり、水を貯めたりする、湿潤養生がおすすめです。湿潤養生で夏場のひび割れは低減できるでしょう。


水をまいたり貯めたりする湿潤養生には驚く人もいるのですが、コンクリートは水の中でも固まるため、問題ないのです。コンクリートが固まるまでに水を入れるのは大問題ですが、コンクリートがある程度固まったあとに水をかけることはまったく問題ありません。ちなみに鉄筋コンクリート造マンションの工事では、コンクリートが固まる間の散水が一般的です。


基礎コンクリートに問題ができてしまったら


コンクリートの問題には、以下のようなものがあります。


・コールドジョイント


コンクリート同士のつなぎ目のこと。打設の間隔があきすぎたときに起きる現象で、コンクリート同士が一体となっていない可能性があります。


・ジャンカ(あばた、豆板ともいう)


コンクリートのじゃんかコンクリートに関わる問題として最も多いのはジャンカ。コンクリートの中のセメントが、砂利や砕石のまわりに十分行き渡らなかったときに起きてしまいます。バイブレーターによる締め固めが十分でなかったときによく起きる問題です。ジャンカが起きた部分は強度的な問題がでてくるため、削り取って再度打ち直す必要があります。


・凍害


最後の凍害は、寒い地域でよく起きる問題。コンクリート中の水分が凍ってしまったとき、水分が膨張してコンクリートをボロボロにしてしまうものです。凍害が起きたコンクリートは強度が著しく低下するため、修繕しないまま基礎として使うのは問題です。


いずれの問題でも、コンクリート打設の不良程度があまりにもひどい場合、基礎工事全体をやり直す必要もあります。その判断が難しい場合には、コンクリートや構造に詳しい建築士や第三者機関などに相談してみましょう。


次回は、もうすぐ上棟!その前に「土台敷き」です。

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